観光には様々な方法がありますが、多くの人が試したことがないのは「観光タクシー」ではないでしょうか。福島県白河市の白河観光交通株式会社が提供する「動く観光案内」は、白河市とその周辺を観光するための専用タクシーサービスです。 白河市は、東京と仙台の間に位置し、東京駅から新幹線で1時間半で到着します。福島県の南端、栃木県との県境に位置し、歴史的に「東北の玄関口」として知られています。市内にはいくつかの観光スポットや文化遺産、国指定史跡などがある一方で、電車やバスなどの公共交通機関が不足しています。このような状況で便利なのが「動く観光案内」です。
12月初旬、同僚の一人と一緒に白河市に行き、この「動く観光案内」を試してみました。コースは、2時間、3時間、6時間の三つの選択肢があります。私は2時間コース、同僚は3時間コースに参加しました。新白河駅に到着後、それぞれのタクシー運転手と合流し、ツアーを開始しました。
最初に訪れたのは、新白河駅から車で20分ほどの場所にある「白河関跡」です。車内で、ドライバーさんと会話していると、近くにある人気の観光地、会津出身だと話してくれました。会津と白河の違いについて、歴史や気候などを教えていただきました。また、両地域を訪れるのに良い時期は、桜が咲く春と紅葉が鮮やかな秋であることも説明してくれました。残念ながら私が訪れたのはこの見頃と重なっていなかったので、自然の美しさを存分に味わうことはできませんでした。それでも、この地域は静かで落ち着いているし、空気が綺麗で新鮮です。
ドライバーさんによると、白河関は古代東山道の関所跡の一つで、かつては関東から東北へ、あるいは東北から関東へ向かう旅人が利用していたそうです。昔は戦闘や小競り合いの際の持ち場でもあり、敵を寄せ付けないための空堀が今も残っています。
やがて関所跡としての機能を失った白河関は、都の文化人達の憧れの地となりました。和歌の名所としても知られるようになり、現在でも、時間の経過で文字がすり減って読みにくくなっていますが、いくつかの石碑が残っています。
白河関跡は国指定史跡でもあり、敷地内には案内板がいくつか設置されています。ドライバーさんが、関跡にある遺跡の意義に加え、関所跡の歴史が現代の文化にも影響を与えていることも説明してくれました。例えば、地元では「白河の関を超えられなかった」という言葉が、「頑張ったけど成功できなかった」という意味でよく使われるそうです。
関跡には、樹齢約800年の「従二位の杉」など、悲しい伝承がある死者のための記念碑にもなっている「庄司戻しの桜」など、数々の巨木もあります。
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