旅先で、「観光タクシー」を利用したことがある人はどれくらいいるでしょうか。通常の料金よりも値段が高く、なかなか利用のハードルが高いと感じている人がほとんどでしょう。しかし観光タクシーを使った旅は、想像以上に旅を充実させてくれます。今回は、福島県白河市を舞台に、観光タクシーを使った旅をご紹介します。
利用したのは、福島県白河市の「白河観光交通株式会社」さんが提供する観光タクシー。観光タクシーは、地域の交通情報や観光スポットに詳しいドライバーが行き先を案内してくれるサービスです。オススメの場所や旅先のルートプラン相談ができるほか、道中や観光スポットでは、ガイド役として案内もしてくれます。
福島県白河市は県内の南部、栃木県との県境にある地域です。東北地方において、関東の玄関口とも呼ばれています。東京駅から新白河駅までは、新幹線で約1時間半。行き先を調べていたり、のんびりしているとあっという間に着いてしまいます。
新白河駅の構内には、観光スポットを紹介するパネルや小さな美術スペースが置かれている
改札前の階段を降りた所にあるタクシー降車場
旅のスタートは、新白河駅前のタクシー乗り場。指定の場所に向かうと、スーツを着た男性運転手さんがタクシーの前で待ってくれていました。「今日はよろしくおねがいします」とお互いに挨拶し、少し緊張しながらタクシーに乗り込みます。観光タクシーのプランは、2時間・3時間・6時間の3プランが有り、時間やいきたい場所によって選ぶことができます。今回担当してくれたドライバーの斎藤さんによると、3時間プランを利用する人が多いとのことです。
小高い丘には石碑が置かれている
車を走らせ、最初に向かったのは戊辰の役古戦場。戊辰戦争・白河口の戦の激戦区だった場所です。西郷頼母、横山主税らが西軍を迎え撃ったが、この日だけで約700名もの戦死者を出す壮絶な戦いになったと言われています。
説明を受けた後は、目の前の景色がまるで違って見える
タクシーを止めて小高い丘を上り、石碑の前で説明を受けます。「向こう側に、山(丘)が見えるの分かる?あそこから東軍が攻めてきたんだよ」。話を聞く前には、「歴史的に有名な場所なんだな」というくらいにしか感じられなかったのですが、説明を受けたあとは、目の前の景色にストーリーが加わり、まるで違った景色に見えました。もしひとり、または友人だけでの観光だったら、こんなに深みを感じることはできなかったかもしれません。
戊辰の役古戦場・戊辰戦争について説明するドライバーの斎藤さん
デザインの異なる竹灯籠がずらりと並ぶ
次に向かったのは、南湖神社。南湖公園の敷地内にあり、御祭神として松平定信(白河楽翁)公をおまつりしています。南湖神社で印象的だったのは、竹灯篭。ひとつひとつデザイン(模様)が異なる竹の灯籠は、暗くなるとライトアップされるそうです。「夕方くらいから訪れるのもいいかもしれないねぇ」と、話をしながら境内を散策します。
境内の中にはたくさんの石像が置かれている
境内に置かれたたくさんの石像を見ながら「色んな表情があるでしょう」「それぞれみんな表情が違うんだよ」と説明してくれる斎藤さん。そう言われてみれば、と思ってじっくり見てみると、少しづつ表情が違うのです。ちょっとした一言が、旅をさらに楽しくしてくれます。
斎藤さんオススメの撮影スポットからの風景
お参りをしたあとは、隣接する南湖公園と翠楽園へ。美しい庭園を見ていると「写真を撮るなら、ここからの景色がきれいだよ」と斎藤さん。また、訪問時期についても「5月頃に来る人が多いかな」など、地元の人ならではの情報を伝えてくれます。
南湖公園へは、白河駅からバスで行くこともできますが、別の目的地への移動が難しいのでやはりタクシー(車)の利用が便利だなと感じました。
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